中国「RED（小紅書）」×インバウンド市場
訪日インバウンド需要が回復の兆しを見せるなか、旅マエ・旅ナカの情報源として注目を集めているのが、中国発のSNS「RED（小紅書）」です。
本コラムでは、旅行前の意思決定におけるREDの影響力、日本旅行への関心の高まり、そして企業が取り入れるべきプロモーション戦略のヒントをご紹介します。
中国人の海外旅行における意思決定とREDの影響
中国では今、「海外旅行の行き先はREDで見てから決める」が常識になりつつあります。
2023年の調査によると、旅行者の82%がオンラインで旅行ガイドを検索しており、そのなかで最も多く利用されているのがREDです。
REDでは、ユーザー自身が投稿された旅行体験から、宿泊施設、観光地、飲食店、ショッピングスポットなどの情報を閲覧・検索し、旅行前のプランニングに活用しています。
検索から購入までの導線がスムーズに設計されており、まさに「旅のインスピレーション源」としての地位を確立しています。
日本は中国人旅行者にとって依然人気目的地
アジア圏を中心とした海外旅行の行き先として、日本は圧倒的な人気を誇っています。
旅行者数の増加率や検索件数から見ても、日本は「行きたい国」「検索されている国」として常に上位に位置し、中国のREDユーザーからの注目度は非常に高い状態が続いています。
人気の理由は、四季折々の自然や文化体験、清潔で安全な街並み、そして質の高い買い物体験など、多岐にわたります。
REDでの「日本旅行関連トピック」検索は倍増
2023年以降、REDでの「日本旅行」に関連する検索数が急増しています。
特に、春節・桜の季節・労働節・夏休み・国慶節・クリスマス～年末年始といった大型連休前後には検索数が大きく伸び、年間を通じて日本への関心が高い状態が続いています。
2024年の第1～第3四半期では、
- インプレッション：前年比200％増
- 関連投稿数：前年比155％増
と、いずれも過去最高の成長率を記録しており、日本旅行に対する関心の高さが顕著に現れています。
日本旅行に関心を持つREDユーザーの特徴
「日本旅行」を検索しているREDユーザーの属性は以下の通りです。
この層は、情報感度と購買力がともに高く、旅行・グルメ・ファッション・美容・健康など幅広い関心を持つアクティブな消費者層です。
旅先での体験・ショッピング・SNS投稿までを意識しており、「旅 × ライフスタイル」という切り口での情報発信が有効です。
「旅行」×「ショッピング」こそが最強の関心軸
2024年Q1～Q3における前年同期比では、以下のような大幅な伸びが確認されています。
- 「日本旅行」 関連投稿数：+100％ 広告インプレッション数：+172％
- 「日本ショッピング」関連投稿数：+373.8％ 広告インプレッション数：+300％
特に「何を買うべきか」「どこで買えるか」といった買い物系コンテンツが高い支持を集めており、RED内での人気検索ワードもショッピング関連が上位に並びます。
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