COLUMN

2025年11月18日に日本政府観光局（JNTO）から10月度の訪日外国人数の推計値が発表されました。本記事では、JNTOからの発表をもとに作成しております。

2025年10月の訪日数は10月として過去最高の3,896,300人

JNTOの発表によると、2025年10月度の訪日外国人数は推計389万6,300人で、前年同月比で17.6％増と大幅な更新なり、10月として過去最高の訪日数を記録しました。

10月は紅葉シーズンが始まるため、各国/地域からの訪日需要が高まるとともに、東アジアでの連休（中華圏は国慶節、韓国ではチュソク）も重なることで、訪日数が大幅に増加しました。特に訪日数が伸びた国では、韓国、インドネシア、アメリカなどが挙げられます。さらに、カナダ、メキシコなどで単月として過去最高を記録したほか、韓国、台湾、アメリカなど13のマーケットで10月として過去最高の訪日数になっております。

1-10月の累計は35,547,200人となっており、香港をのぞく全ての国/地域で前年同時期を上回っています。

各国/地域別の伸び率では、ロシアが100％と昨年の2倍の訪日数を記録しており、次いで中東地域での57.3％となっています。

国・地域別訪日客数

国/地域別での2025年10月度の訪日外客数です。

2025年10月で最も多く訪日したのは韓国からの訪日で、86万7200人となっており、続いて中国の71万5700人、台湾からの59万5900人、アメリカから33万5700人、第5位に香港で19万6000人の順となっています。

東アジア（韓国・中国本土・台湾・香港）の4エリアでは、韓国はチュソク（中秋節）の長期連休があったことや、地方便での増便等の影響により、10月として過去最高の訪日数となりました。中国においては、韓国同様地方便での増便に加え、10月上旬の国慶節の長期休暇により、訪日数は前年同月比を上回っております。台湾では地方便の増便やチャーター便の運行に加え、国慶節や中秋節などの3連休が10月に3回あり、その影響から10月として過去最高の訪日数を記録しています。香港においては、台湾とは異なり、国慶節や中秋節の祝日が今年はうまく連休にならなかったこともあり、訪日数は前年同月比を下回っています。

東南アジアにおいてはタイ、シンガポール以外の5市場（マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド）でスクールホリデーやエアーの座席供給数の増加により、10月として過去最高の訪日数となっています。一方でタイ・シンガポールに関しては、10月は祝日があったものの、タイ国内の経済状況による海外旅行ニーズの減少やシンガポールでの一部路線での減便などの影響により、訪日数は前年同月比を下回っています。

欧米豪では、スクールホリデーの影響や紅葉シーズンにおける訪日需要の増加などから、全ての市場で前年同月比を上回っており、特にロシア（91.7％増）、ドイツ、メキシコ（29.2％増）と好調なマーケットも多く、引き続き紅葉シーズンやクリスマスホリデー等、この年末に向け更なる訪日数が期待できそうです。

まとめ

10月度は紅葉シーズンにおける訪日需要の高まりとともに、東アジアにおける連休や、東南アジア・欧米豪でのスクールホリデー等の影響により、前年同月比を大幅に上回る訪日数となりました。

訪日ニーズが高まっている中、中国政府と日本政府との関係性が日本でも連日報道されています。日本の高市総理の台湾有事に関する発言に対し、中国政府が強い反発を見せ、そのことが中国国内で日本旅行を控えることに繋がっている現状です。現時点では中国政府から日本への渡航禁止は発表されてはいませんが、すでに中国の航空各社では年内の日本路線の予約に関して無料キャンセルに応じると発表しており、実際に日本国内のホテルでの団体客キャンセルも発生していると産経新聞でも報道されています。また、一部の航空会社では来年3月下旬までの訪日路線の一部減便も発表しており、来年2月の春節～桜シーズンに影響が出ると予想されます。一方で、日経新聞によると11月15日時点ではJALやANAでは日本↔中国路線で目立ったキャンセルは出ていないとの報道もあり、全ての中国人旅行者が訪日旅行を控える状況までには至っておらず、様子見しているもしくは予定通り日本旅行をする人たちも一定数いると考えられます。

とはいえ、年内～来年春ごろにかけて影響が出る可能性が高いため、その時期に向けた対策も必要になると考えます。中国以外の国/地域へ向けたプロモーションの検討はもちろんのこと、中国本土が復活した際に中国向けの発信をすぐに再開できる準備も必要となります。どのターゲットに向けてプロモーションをすればいいのか、貴社のサービス/ブランドがそれぞれの市場でどのようなポジションなのか、市場調査も含めたご提案も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください！

一部にはなりますが、以下は弊社でのグローバルプロモ―ションの実績となります。ご興味のある施策がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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